会長挨拶

会長挨拶

深澤 壽
 
 2020~2021 年度RI 会長ホルガー・クナーク氏は、ロータリーの成長について「数字を掲げて成長を求めるようなことはしません。その理由はごく単純です。これまで数字を掲げて成長を求めるたびに、失敗に終わってきたからです。皆さんには、数字にこだわる代わりに、有機的かつ持続可能なかたちで、いかにしてロータリーを成長させることができるかを考えていただきたいと思います。」と述べたうえでロータリーの新しい行動計画の土台を成すロータリーのビジョン声明「私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています。」の最初の言葉「together」を強調されています。ロータリーとは、単にクラブに入会するというだけでなく、無限の機会への招待だという意味で「ロータリーは機会の扉を開く」というテーマとなっています。
 
 そのほか、先に掲げた「ロータリーのビジョン声明」、「ロータリーの5 つの中核的価値観( 親睦、高潔性、多様性、奉仕、リーダーシップ)」、「ロータリーの4 つの戦略的優先事項と目的」は、RI 第2620 地区2020~2021年度ガバナー荻原英生氏(静岡RC)に引き継がれ、「ロータリーの心と本質を理解し、機会の扉を開こう」がテーマとなりました。
 
 今年の私のターゲットは、Flexible change in responseto environmental changes 〜環境変化に応じた柔軟な変化を といたしました。
 
 YCC 県民文化ホール大ホールに約1,000 名の関東地区の教職員をお迎えし、加藤繁美東京家政大学教授(元山梨大学教育学部教授・元山梨大学附属幼稚園園長)より「保育の中の子どもの声−リスニング保育の実践−」をテーマに基調講演が行われました。そのなかで、「ダボス会議」とか「VUKA」とかという私ども幼児教育保育に携わる者にとってはなじみの少ない用語が飛び出してきました。そもそも世界経済フォーラム(ダボス会議)とは、1971 年にスイスの実業家、クラウス・シュワブにより創設された会議です。ビジネス、政治、アカデミア(学術研究機関)や、その他の社会におけるリーダーたち数千人が連携することにより、世界・地域・産業のアジェンダ(議論・対処すべき項目)を形成し世界情勢の改善に取り組むための話し合いが行われます。独立した国際機関として、ジュネーブに本部を置きスイスの非営利財団という形態です。2016 年1 月に行われた世界経済フォーラム(ダボス会議)にて「VUCA ワールド」という言葉がひんぱんに使われたため注目を浴びる様になりました。VUCA という言葉は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)という単語の頭文字を取った造語です。一昔前と違い、予測や計画が立てづらくなった現代の社会経済環境を「VUCA ワールド」というそうです。まさに、近年、東日本大震災、関東平野の竜巻突風被害、西日本、九州地方、鬼怒川などの帯状降水帯による豪雨被害、ここ数年は、北海道、近畿圏、千葉、千曲川などの台風による河川氾濫、突風被害、オーストラリアの森林火災など50 年に一度とか、100 年に一度の災害が世界中で毎年発生しています。そして今年は、世界中が新型コロナウィルスのパンデミックです。ロータリーの新年例会で、「ねずみ年は、繁栄の年」といった覚えがありますが、まさか「新型コロナウィルス」がこんなにも世界中で繁栄するとは思いもよりませんでした。 

 7 月1 日より大きく変わったことが国内外で生じています。中国では、香港政府により国家安全法が公布され民主化運動が封じ込められる危惧が生じました。国内では、東京ディズニーランド、ディズニーシーが再開しました。レジ袋の有料化も全国ではじまりました。自転車を含むあおり運転の厳罰化は、昨日から始まりましたし、残念なことにキャッシュレス決済の最大5% ポイント還元も終了し、マイナポイントの申請が始まりました。私たち一人ひとりの生活様式も環境変化に柔軟に対応することを迫られる年になると思います。 

 基本的には、奈良田年度の事業は継続して実施していきたいと存じますが、パンデミック(コロナ禍)という特殊な状況下ですのでやむを得ず内容の変更、中止を余儀なくされる場面もあるかと存じます。また、会議もIT 活用を促進し、クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕活動の一助となるための第1 歩を変化と失敗を恐れず踏み出してみたいと考えています。会員増強については、各グループ純増3.5% を目指しますので、当クラブとしては純増3 名の増員を目標として掲げています。各位にも何かとご理解とご協力を賜る場面があるかと存じますが、「VUCA ワールド」のなかでの船出ですので、理事役員の皆様はもとより、何卒会員全員のお力を結集していただけますと幸いです。来年の今頃、奈良田年度を引き継ぎ吉澤年度(甲府シティロータリー30 周年)へのスムーズなバトンタッチが叶い、各位とともにコロナ禍の収束と好天の下、笑顔で最終例会を迎えられることを楽しみに荒天のなかの船出をいたします。ともに(together)乗り越えていきましょう。