会員卓話

会員卓話

深澤 壽

● RLI の使命は ?
 RLI は、質の高いリーダーシップ教育を通じてロータリークラブを強化することを使命とする、他地区合同の草の根リーダーシップ開発プログラムです。

● RLI の背景 / なぜ生まれたのか ?
 元 RI 会長 クリフ・タグターマンは、「ロータリーの世界で最も注目しなければならないことは、ロータリー創始後、100年を経て、近年、社会構造も変化し、何よりも人や社会に対する意識が変わってきていること、特に事業や職業の世界が激変していることを考慮すべきだ」と Rotary News(2008 年8月号)と述べています。異なった価値観や社会意識を埋めるためには、その要因である根本的な問題点を分析し、充分に話し合い、各世代のロータリアンやロータリーの世界の理解を進めることが必要です。
 本当にロータリーを理解し、ロータリアンとして活動するためには、クラブ会員ひとり1人が、自発的に、自覚を持った話し合いをして、本当のロータリーを理解することが基本的な課題と考えます。

● RLI の研修方法と特色 /どのように行われるか ?
 ロータリーをよく理解し、ロータリー対する意欲を高揚するために、講演や講義ではなく、斬新な討論方法を活用して、参加者による、草の根(grassroots)のディスカッション方式で行われます。このディスカッションでは、ひとり一人の参加者は対等であり、みんなで自由に意見を出し合って討議していきます。
 このディスカッションの進行役が RLI ファシリテーター(以下ファシリテーター)です。ファシリテーターは、質問を投げかけながら参加者の自発的な考え方や意見を引き出し、討議を深めていきます。参加者はこのような討議を通じて、テーマについての一致した結論を出すことを目指すのではなく、多様な意見を交えながら新たな気づき、学び、方向性を見出していくことが求められます。

 参加者の学びが「私」という個人から始まり、「クラブ」へと広がり、さらにロータリアンとしての絶えざる学びの「旅」へと、段階的に深まっていくことが意図されています。
 旅の行き先は「ロータリアンとしての成長とロータリアン観の確立」です。
 「旅」は RLI の英語版では、「Journey(ジャーニー)」と表記されています。「trip(トリップ)」や「travel(トラベル)」ではありません。トリップやトラベルが、目的地に行って帰ってくる旅行を指すのに対して、ジャーニーは、長い旅の道中というニュアンスがあります。つまり、帰ってくるとか、たどり着くのではなく、旅することそのものに重きを置いた言葉なのです。パートⅢの「私のロータリーの旅」とは終わりなき学びの旅路、というような意味になるでしょう。特定の正解、あるいは既存の正解に辿り着くのを目指すのではなく、絶えることなく探求し続けることが RLIが目指していることなのでしょう。