林業の現状と課題

林業の現状と課題

平田 譲

 今回は、新会員の卓話予定でしたが急遽予定者の都合が悪くなったとという事で、佐藤委員長より報告が有りました。丁度、今週末に別件で講話の依頼を受けていたので練習を兼ねて私の方で引き受けさせて頂きました。私の職業分類は林業ですので、今回は『林業の現状と課題』と題してパワーポインを使ってお話しさせて頂きます。

【仕事内容】
山林購入 → 伐採搬出作業 → 製造メーカーに原木納入

 今ですと私共、県有林をかなり購入しています。オリンピック関連施設や県の方で公共施設等で木造にしようということで、かなりの量の県産材を入札で出しているのが現状です。民有林の方でもバイオマスが騒がれている状況で、燃料にもなるという事で木の値段はかなり上がっている状態です。

 購入にあたって、民有林の場合は地主さんと直接交渉し、県の場合は競争入札となります。見積に際し、民有林は広い場所で5ha(約15,000 坪)位になりますが1本づつ太さを測り、高さは目検で行い計算式に入れ体積算出後に見積金額を地主さんに提出し交渉となります。

 契約後、伐採搬出作業となりますが勾配のきつい重機の登れない山では索道架線での作業に変わります。伐採が終わると集材 → 原木の造材 → トラックによる輸送ということになります。積込み作業前に樹種・用途別に仕分け、検尺して材積単価という形で金額を算出します。伐採・搬出作業終了後は県有林の場合は苗木の植林をします。今後の課題として、搬入出道路が無い為に県有林では収穫期を迎えた木が伐採できない状態が続いています。

 搬出先は製造メーカーに原木納入します。その後、LVL(キーラム)、合板、集成材、CLT、紙、ペレット、バイオマス、無垢素材といった色々な種類の製品となって行きます。

【林業の今後の課題、方向性として】
① 100 年以上住める住宅が建っているため、住宅着工戸数は減少して行くことがかんがえられます。これを補うためにも公共物の木造、大手メーカー店舗、工場を木造にしていくことが大事であると考えます。

② 木質バイオマスの増設により、燃料用の木材需要は過剰に高まっていますが建築物向けの木材も燃料向けに行かないようルール作りをする必要が有り、収穫期を迎えた立木を伐採する理念が変化しないよう注意する必要が有ります。

③ 今後の林業としては住宅部材の供給に依存しているので違う形での使用方法を考える時期に来ています。

④ 職業としては、自然の中で仕事をするためストレスなく健康に日々生活できる良い仕事であるが、資源に限りがあるため利益優先の経営にならず収穫期を迎えた木を伐採する理念を業界全体が守れば今後とも未来ある職業であると思います。

⑤ 林業、農業、漁業の3つの職業は、日本の職業の中で大切な役割を持って大事にされていますが、それを念頭において経営する義務のある職業であると思っています。