昨今の医療と看護

昨今の医療と看護

山梨県立大学 看護学部 助教 高取 充祥

 山梨県立大学の看護学部で成人看護学(主に急性期看護学)を担当しています高取充祥と申します。いつも本学の学生をご支援いただき、誠にありがとうございます。

 今回、「昨今の医療と看護」題しまして、話をさせていただきます。

 日本は超高齢化社会へ突入し、医療を取り巻く環境は、医学・医療の進歩と共に、医療提供の場の多様化等により大きく変わってきています。その中で、国民の医療に対する意識はQOLを重視する医療へと変化し、「キュア」から「ケア」を必要とする患者様やご家族様への意思を尊重することの大切さを日々実感しております。環境及び意識や認識の変化に応じて、看護師は、質の高い医療サービスを提供することはもちろんのこと、倫理的感性を養い、急性期病院から在宅医療現場までの幅広い役割を担っていく必要があります。

 また、山梨県でも多くの在留外国人や海外からの旅行者も増えており、急速な国際化が進むと同時に、世界規模の健康問題(感染症、災害、貧困、慢性疾患など)にも意識を向けなければいけない現状もあり、医師・薬剤師・その他のコメディカルなど多職種と共にこれらの問題に立ち向かっていくことが看護師には求められています。

 看護師、助産師、保健師、養護教諭を養成する本学では、「グローカルな知の拠点となる大学」、「未来の実践的担い手を育てる大学」、「地域に開かれ地域と向き合う大学」を理念として教育を行っておりますが、未来の山梨県を背負っていかなくてはいけません。そのため、実践力だけでなく、自律性の向上に努め、倫理的感性が豊かな人材が育つよう、教授していきたいと考えております。最後になりますが、本学の学生への変わらない支援とご協力をいただきますよう、よろしくお願い致します。